2021年11~12月に観劇した感想まとめ―『ザ・ドクター』『パ・ラパパンパン』『バロンの末裔』『ジェーン・エア』『誰もいない国』『ガラスの動物園』
2021年、宝塚にはまり、NTLiveシリーズにはまり、そのおかげで観劇という趣味が増えたー! わーい! というわけで11月以降見た演劇をまとめとこうと思います!
もはやこっちのブログ、観劇感想メモブログと化している……。ちなみに10月は劇団四季の『アナと雪の女王』、宝塚雪組の『CITY HUNTER/Fire Fiver!!』を見た。
このときはこんなにシティーハンターの脚本をけなしているのだが、この後結局ブルーレイを買って異様に再生している……笑。あれ映像だとかなり見やすいなと気づいた(あの舞台でうしろのスクリーンごちゃごちゃしてる感じが苦手だったのでブルーレイだとそのへんカットしてくれて見やすいです…)。
■11月
『ザ・ドクター』
なんか日本語の会話劇って難しいんだな~と感じた作品だった……。大竹しのぶとかかなり上手いんだと思うんだけど、それでも私はけっこうテンポ悪く感じてしまい。うーん。脚本がやりたきことはわかる。SNSの炎上を扱う話って多いけど、「炎上した側」を扱う話ってそんなに多くない気がするので新鮮で面白くはあった。主人公を最後まではっきり善とも悪とも描いていない感じがよかったけど、もうちょっとカタルシスがほしい気がする……私は……。
『パ・ラパパパン』
松たか子に神木隆之介! 松尾スズキに藤本有紀! とその豪華さに惹かれてチケットをとったのだけど、松たか子ものすごかった以外の感想はそこまでなかった笑。クリスマスものでディケンズでいい話ではあったんだけど、いまいち笑いのテンポとかそんなにぴんとこなくて、コメディって難しいんだなあと感じた(ふつうに自分の好みの問題かもしれない)。でも締め切りに苦しむ少女小説家な松たか子、歌って踊る松たか子を見れて満足感は高かった。役者さんってすごい。
このあたりから「うーん私がNTLで見ている演劇はけた違いにすごいのでは?」と薄々感じ始める。
宝塚宙組『バロンの末裔/アクアヴィーテ!!』
長崎まで行ってきたよ……! 『バロンの末裔』は宝塚版ダウントン・アビーだと感じた。早変わりも面白かったし、キャラがそれぞれ宝塚っぽい設定で見やすかった。なんかこう、正統派? お坊ちゃまがいて、許嫁がいて、ちょっと悪そうなやつもいて、アホの子もいて、みたいな。全国ツアーだからこういう正統派っぽい演劇やるのかな~と思った。『アクアヴィーテ!!』はもともとかなり好きなショーなので、生で観れてほんっとうに嬉しかった。生で観るとめきめきと自分の戦闘力が上がる感じがした。ずんちゃんがしぬほどウィンクしてたのと潤花ちゃんの新衣装が可愛かったことが印象に残っている。真風さんは永遠にかっこいいです。
■12月
NTLive『ジェーン・エア』
ジェーンは原作でも容姿が美しくないキャラクターなのだけど、かなりその設定を忠実に再現されていて驚いた。カーテンコールのときにはものすごく美しい女優さんになっていたので、あれはお芝居やスタイリングで美しくなく見せているのだろう……す、すごい。(一緒に観にいった友人が「あれは人がもっともスタイル悪く見えるワンピースの作りだ」と言っていて笑った。切り返しの位置が絶妙らしい)。
ロチェスター卿と会うまでがかなり長かったんだけど、それはこれがラブストーリーではないことを示すためだとスタッフのコメントにあって、なるほどなあと感じた。ロチェスター卿もかっこよくなくて、かなり「最終的には魂がジェーンに釣り合わない男性」として演出されているように見えて、そのあたりの塩梅が上手いと思った。あとなによりバーサの女優さんの演出や持っていき方がものすごくて。最近ジェーン・エアにおけるバーサってフェミニズム的にどう解釈するよという論点が出てきやすいと思っているのだけど、その議論を反映したような演出だと感じた。
NTLはいつも舞台セットが本当に美しい。今回も脚本はちょっとまどろっこしい場面はあったけど、炎の使い方や舞台セットの使い方がとてもとても美しくて、いつも目を奪われていた。
NTLive『誰もいない国』
脚本はけっこう分からないところも多くて、要は家父長制にガンガンに縛られた男性たちの噛み合わない会話を楽しむ物語っぽいのだが、その噛み合わなさに「??」ってなってしまったなあ。翻訳がけっこう分かりづらいところもあった気がするけれど、どうなんだろう。ゲイなのに女性のモテにこだわる感じとか、うーーんつらい、と思いつつ見てしまった。でもやっぱり舞台のセットはとてもとても美しかった。
『ガラスの動物園』
これ、とてもよかった。そもそもテネシー・ウィリアムズの脚本が好きなのかもしれないけれど、舞台の部屋のセットも美しくて、なにより俳優さんたちの「心が不安定で美しくて部屋のなかに閉じこもるしかない家族」の演技がものすごく良くて、まさしくガラスの動物園だ、と感じた。内容は、母………としか言えない話なのだが、全編通して主人公の回想として描かれているところがまた、彼らの美しさが説得力になっていると思う。
岡田将生さん、最近いろんな作品で目立つなあと思っていたけれど、今回生で観てその舞台映えっぷりにおののきました。美しい~。
というわけでいろいろ観れて楽しかったー! 2022年も「みてよかった!」と叫ぶこともできる、ほくほくした気持ちで劇場を出られる作品に出会うことができますように!
来年は演劇についても仕事でいろいろ書けたらいいな……。なんか映画とかよりもよっぽど自分的には合っているというか、面白く感じる。あの言葉と人間だけでなんとかなる感じが。ちょっと観る側として精進します。笑