東京物語

三宅香帆のブログです。日々の感想やレビューなど。感想は基本的にネタバレ含むのでご注意を。

2021年11~12月に観劇した感想まとめ―『ザ・ドクター』『パ・ラパパンパン』『バロンの末裔』『ジェーン・エア』『誰もいない国』『ガラスの動物園』

2021年、宝塚にはまり、NTLiveシリーズにはまり、そのおかげで観劇という趣味が増えたー! わーい! というわけで11月以降見た演劇をまとめとこうと思います! m3myk.hatenablog.com note.com もはやこっちのブログ、観劇感想メモブログと化している……。ちな…

2021年、宝塚沼にはまって驚いた6つのこと

2021年、仕事もいろいろあったのですが、それはそれとしてなにはともあれ、私にとっては宝塚にハマった年……というのが一大トピックでありました。 「現場のある趣味」というものがそんなになかったので(アイドルは好きだったけど基本的に在宅だった)、そも…

雪組ファンになった、しかし脚本もったいなくない!?ー宝塚雪組『CITY HUNTER / Fire Fiver!』

シティーハンターとfire fiver、初めての雪組生観劇だったのだけど、雪組好き〜〜これからも楽しみ〜〜絶対次も観る〜〜〜とファンになってしまう作品だった。シティーハンター、とにかく彩風さんと朝美さんがかっっこよくてかっこよくて、それに原作に突然…

「はてなブロガーに10の質問」

はてなブロガーさんたちのこれ見てるの楽しかったので自分も便乗〜。ブログ更新もゆるゆるなので胸張ってはてなブロガーと言えるかどうかはあやしいですが笑、でもこういうの書くのも見るのも好きだし楽しいのでやる!はてなブログ10周年特別お題「はてなブ…

劇団四季『アナと雪の女王』感想メモ

感想メモなので箇条書きです!!! ネタバレありまくりです!・いや幼少期アナ可愛すぎる、ちいさい……あんな子が自転車に乗って歌ってるのすごい……幼少期エルサもしっかり歌っててすごい……・オラフも可愛い、アンコールの服着たオラフ可愛すぎる ・エルサは…

AKB48の新曲( #根も葉もRumor )が好きすぎてつらい

「だってあの頃はまだポニーテールにシュシュ 声なんか掛ける気になれずに素通りしてた」 コロナの関係で1年半くらいCDを出せなかったAKBがひっさしぶりに新曲を出すと聞き、どんな曲が来るかなとそんなに期待せず初披露を音楽番組で待った。そのとき流れて…

宙組と真風さんが好きなんですよ私はー『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』 『Délicieux(デリシュー)!-甘美なる巴里-』

あなたはときめきで死にそうになったことはありますか。私はあります。 激重書き出しから始まってしまったんですが、今年は自分の中で宝塚イヤーとなっており、観ては「これはどういうものなんだろう」と自分に問いかけ日記に書き、さらに観ては問いかけ日記…

宝塚というときめきを成立させる濃厚さー『男役』『娘役』『銀橋』(中山可穂)

中山可穂の宝塚シリーズ全三冊。とっても好きなシリーズになった。 一冊目は男役、二冊目は娘役、三冊目は専科(宝塚の中でのベテラン勢枠みたいな組)について主に描いているシリーズ。基本的にそれぞれエピソードは独立しているし、テイストも異なるので、一…

舞台は一人称視点に向いてるーNTL『夜中に犬に起こった奇妙な事件』

NTL三本目。『戦火の馬』と同じ日に見た。 クリストファーは数学や物理を解く能力に秀でた自閉症の男の子。ある日、彼が可愛がっていた近所の犬が無惨な姿で殺されてしまう。彼は犯人探しをするなかで、家族や近所の人の秘密を知ることになる。 お芝居の仕掛…

とにもかくにも馬すごいーNTL『戦火の馬』

ナショナル・シアター・ライブで『戦火の馬』をみてきた。アンコール夏祭り。ありがとうNTL。 本当にすばらしくて、な、なんでいままで見てこなかったんだNTL……としみじみ後悔していた。またやってねアンコール……。 酔った勢いで父親が、せりで買って帰った…

最近読んだ漫画メモ(2021/8/29)

最近読んだ漫画たち。めも。漫画大好き。◯新刊嬉しい勢どれも大好きな作家さん。砂とアイリス、終わってしまった寂しい。酒井まゆいまだに追いかけているの我ながらびっくりしている。・『セクシー田中さん』4巻(芦原妃名子)・『砂とアイリス』5巻(西村しの…

文体がいいー『パリの砂漠、東京の蜃気楼』(金原ひとみ)

マイブーム金原ひとみその2。筆者のパリと東京の生活をそれぞれ綴ったエッセイ。金原ひとみは文体が好きなので何を読んでも面白いです。お得。 一番胸がギュッとするのが、日本の女性蔑視に関する発言。こんなこというと嫌な気持ちになる人がいるかもしれな…

冷戦からコロナ禍に至るまでのアメリカの対中国スタンスがわかりやすいー『米中対立』(佐橋亮)

アフガニスタンの件で米中関係に興味持って読んだ本。 アメリカが支援した結果今の中国ができたという作者の主張のもと、米中の歴史を紐解く一冊。米中関係といいつつ、ほとんどアメリカ側の説明に終始していたので、中国側のの思惑はそんなに説明されてない…

ただの現代切り取りストーリーで終わらんとこが好き『アンソーシャルディスタンス』(金原ひとみ)

マイブーム金原ひとみ。 さまざまな依存症にハマる女性たちを描いた短編集。いやーおもしろかったあ。金原ひとみの最近の作品大好き。 題材だけみると、整形やアルコールやコロナや、ドンピシャで今っぽいんだけど。それでも小説がそんなにありふれた感じで…

全人類に薦めたい漫画ー『ゴールデンカムイ』(野田サトル)

こんな面白い物語を素通りしてた自分が!!!! こわい!!!! と心底思った。ゴールデンカムイ。最新話まで読んだのだが傑作だった。 いやしかし面白いまんがですよね。私、物語って「傑作だし老若男女全員にすすめたい」「傑作だけど老若男女全員にすすめ…

言葉を尽くしたその先で会いましょう―NTL『スカイライト』

noteに感想書きました。よければぜひ。とってもとってもよかった。 note.com はてなブログは日記(なので書き散らし)、noteはもう少しちゃんと記事にしている、つもり、です笑 すみわけ。

今のネットで流行る作りのアニメー『オッドタクシー』

oddtaxi.jp Amazon.co.jp: オッドタクシーを観る | Prime Video 『オッドタクシー』、中盤からどんどん面白くなり、一気見。4話くらいから面白くなるので、今から見る人はぜひそのあたりまでがまんして見てほしい。 最初は、現代ぽい話を狙いすぎ説明しすぎ…

読む女性の自由ー『めぐりあう時間たち』

www.amazon.co.jp 『めぐりあう時間たち』。最近ずっとウルフの『波』をちびちび読んでいるので私の中でタイムリー。 週末にみた『スカイライト』があまりに好みだったので、同じ脚本家しばり。でも脚本家同じといえどこっちは原作があったから、ちょっと狙…

想像よりスケールの大きいシリーズSF―『三体Ⅲ 死神永生』

お盆にやっと三体Ⅲを!!!! 読み終わったのです!!!! 三体シリーズ、一部から読んでいたのだけど本当に三部で終わるとは思ってなかった。絶対七部くらいいくと思っていた。まあニ部以降は上下巻になっているので実質五巻くらいの分量はあるんだけど。 …

歌がよかったー『スポンジ・ボブ ミュージカル:ライブ・オン・ステージ』

『スポンジ・ボブ ミュージカル:ライブ・オン・ステージ』、huluで配信観られたからみた。 とくに音楽がすっごいよかった。前向きで楽しくて。自己肯定感高い歌がたくさんあって。歌も上手だった(当たり前なのかな)。 これってスポンジボブのアニメの歌とか…

日本の先を行くのはイギリスなのかー『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(ブレイディみかこ)

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫) 作者:ブレイディみかこ 新潮社 Amazon 今更読んだのですが面白かった。内容かなりリベラル。ベストセラーなのでタイトルは知っていたのだが、読んでみるとこれが売れる世の中なんだ今……すご……と思っ…

ドラマは時間をかける芸術であってほしいー『ダウントン・アビー』シーズン6

ダウントン・アビー二周目全シーズン見終わった……最近ずっと観続けていたので終わってしまったの寂しい! しかしダウントンアビー、本当に好き。うう。 こんなにいい群像劇ないよ! 私がドラマというジャンルに求めているものすべて入ってるよ! とじたばた…

人生の第二ステージー『オーストリア滞在記』(中谷美紀)

オーストリア滞在記 (幻冬舎文庫) 作者:中谷 美紀 幻冬舎 Amazon 女優中谷美紀さんのオーストリア滞在記。とてもよかった。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団奏者の夫と結婚し、そのお子さんとも時間を過ごすようになり、オーストリアのザルツブルグでコロ…

理系文系融合漫画ー『火の鳥』(手塚治虫)

www.amazon.co.jp 7月末に手塚治虫記念館に行ってきた。宝塚を見に宝塚市に行ったら、手塚治虫も宝塚市出身だというので驚いたんである。いやでもたしかに考えてみれば『リボンの騎士』ってめちゃくちゃ宝塚的漫画。案の定、影響を開けて描いた話らしい。 手…

イギリスという課題ー『ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain』(ブレイディみかこ)

主に2018〜2020年のイギリスの社会問題について、イギリス在住の著者の視点から語られてるエッセイ。『ぼくはイエロー〜』が面白かったので読んだ。これもよかった、ブレイディみかこさんの文章追いたくなるのわかる。単なるイギリス政治レポートじゃなくて…

新しい手触りの思春期小説ー『ブラザーズ・ブラジャー』(佐原ひかり)

www.amazon.co.jp 素敵な小説だったー。 氷室冴子文学賞受賞作ということで気になって読んだのだけど。書きぶりがとても今っぽくて、なんかこう、みずみずしかった。ほんと、果実的な。果実小説。(?) 高校生のちぐさは、親の再婚によって家族になった弟がブ…

2010年代、ネオリベアイドルの誕生―AKB48・乃木坂・欅坂・日向坂はなぜ流行したか?

※こちらはいつかどっかで書きたかった、てかなんなら本で書きたかった新自由主義とアイドルと2010年代のコンテンツの話です。書く場を失ったうえに2021年になっていい機会なので放出してみます。笑 たのしんでいただけたら~。 はじめに――2010年代のアイドル…

今年もたくさん考えたい(あるいは面白い本に出会う方法)

たまに「どうやって読む本を選んでるんですか?」と聞かれることがある。 本を読むのが好きです、できるだけ面白い本を読みたいです……と私がいつも言ってるもんだから、じゃあてめえはどうやって面白い本に出会ってるんだよ、と思われるのかもしれない。もち…

柏木由紀さんのメイク動画のおかげで、健康になった2020年

2020年は、健康になった年だった。だれのおかげでもなく、ゆきりん――AKB48の柏木由紀さんのおかげである。 ゆきりんと健康。といっても、これは「推しのおかげで元気になりました!」みたいな話ではない。ちょっとまどろっこしいけれど、経緯を説明しよう。2…

『心は孤独な狩人』を読んでみつめる今年のこと

アメリカの黒人文学といえば、英文学のゼミで読んで「む、難しい」とおののいた記憶ばかりが残る。 たしか題材はフォークナーの短編だった。とにかく英語が難しかった。予習の段階で、単語を調べつつ日本語訳を読みつつでようよう読んだけれど、結局どういう…