東京物語

三宅香帆のブログです。日々の感想やレビューなど。感想は基本的にネタバレ含むのでご注意を。

とにもかくにも馬すごいーNTL『戦火の馬』

ナショナル・シアター・ライブで『戦火の馬』をみてきた。アンコール夏祭り。ありがとうNTL。

本当にすばらしくて、な、なんでいままで見てこなかったんだNTL……としみじみ後悔していた。またやってねアンコール……。

酔った勢いで父親が、せりで買って帰った馬を、アルバートはとても大切にしている。しかし戦争が激化するとともに、馬は軍馬として連れて行かれることになる。アルバートはその馬と一緒に戦うために、自分も志願兵となる。

馬と少年の関係性を中心に、戦争に振り回される人々を描く作品。原作は馬目線で戦争を描く小説らしい。舞台はとくに馬目線というわけではなかったが、主役が馬であることにまったく異論はない。

ほんとうに、兎にも角にも、馬、である。もうこの馬が、パペットなんだけど、ものすごい。パペット技術、やばい。走る馬の毛並みすら見えてきそうなつくり(実際の人形に毛はない)。かなりシンプルな作りに見えるんだけど、月並みな言葉で言えば本当に生きているように見える。いままでみたどんなパペットよりすごかった。

あらすじはわりとシンプルなんだけど、もう、この馬を見るだけで、全編感動するし、見る価値はあるし、最後もグッときてしまう。あとアヒルのパペットも可愛かった……。

これ映画になってるらしいけど、あのパペットなしではたして感動できるんだろうか。みてみたい。あとタイトル見て勝手にトロイア戦争の話だと思い込んでいた。全く違った。