冷戦からコロナ禍に至るまでのアメリカの対中国スタンスがわかりやすいー『米中対立』(佐橋亮)
アフガニスタンの件で米中関係に興味持って読んだ本。
アメリカが支援した結果今の中国ができたという作者の主張のもと、米中の歴史を紐解く一冊。米中関係といいつつ、ほとんどアメリカ側の説明に終始していたので、中国側のの思惑はそんなに説明されてない印象。
冷戦時のソ連牽制→中国の国際社会貢献期待時代→そして米中対立時代へ、という流れの展開がわかりやすい。個人的にはアメリカの中国への支援ってソ連牽制しか知らなかったので、そんな国際社会への貢献期待モードがあったんだ!? というのが勉強になった。まあゆーてそのうち民主化するっしょ、とアメリカはかなり楽観的だったんだろうか。
興味深かったのが、コロナによって、対中国感情と、台湾のポジションがやや影響を受けた点。
あとコロナがこのタイミングでやってきたことって、中国に対するアメリカの世論にかなり影響与えたんだな。もともとトランプ大統領になって米中対立が生まれていたところで追い討ち、というか。
台湾のコロナ対策がうまく行ったことが、台湾の存在感が増す要因のひとつになっているという話があり、それもなるほどと思った。
なんか国とか関係ない疫病がこんなに政治に影響与えてるの、不思議な気がしてくる。うまく言えないけど、コロナがなかったらどうなってたんだろう? って思うというか。
アメリカ側の中国に対する政策から政治スタンスを読み解く本だったので、中国側の解説も読んでみたい。