大学院生がアイドルから学んだ「読んでて楽しい文章」を書くためのセブンルール
ネットで文章を書き始めて、はや数年が経とうとしている。
ありがたいことにたくさんシェアしてもらえた記事があったり、
こちらの記事をもとに「本を書きませんか?」と出版社さんから言ってもらえたり、
ある程度、日々たのしく文章を書き、読んでる方にもちょっとは楽しんで読んでもらえてる……のではないかと……思います(なんかこう書いてたら自信がなくなってきましたが!)。
で、私が文章を書き始めたのって、だいたい「女子アイドル鑑賞」にはまった時期とぴったり重なるんですよね。
ちなみにAKBグループおたくです、乃木坂も好き(最愛の松井玲奈ちゃんが卒業したりアイドルおたく人生にも色々ありましたが、語れば長くなるのでここでは割愛)。
私はたぶん誰よりもアイドルから文章の書き方を学んだんですが、この話を先日友達にしたら「それ面白いからブログとかに書きなよ」ってすすめられまして、なるほどこういうのをブログに書けばいーのか! と思い立ちました。はい、というわけで「私がアイドルから学んだ文章の書き方」というお話。
アイドル。それはひたすらに「歌やダンスの実力だけではないところで、観客に楽しんでもらうこと」を志向する方々。
つまり、私のよーな「文章の中身や技術だけではまだそんなに楽しんでもらえねぇ!」というような人間こそ、アイドルの真似をすべきなのでは、と思っているのです(逆に、文章の中身がものすごく情報として価値がある人は真似しなくてもいいと思う)。
ダンスのプロでも、歌のプロでもない。私たちは「みんなを楽しませること」のプロだ! と、アイドルの方々は言っているように見えます。
その技術をね、私は文章に応用してみたかったんです。
というわけで、セブンルール。*1
①書き手の表情がわかりやすいこと
②読み手をひとり決めること
③カメラに抜かれそうなキャッチーな言葉を入れること
④ありきたりな言葉で隠してないか確認すること
⑤できるだけ短く書くこと
⑥自分が書いてて楽しいと思えるものを書くこと
⑦愛があること♡
①書き手の表情がわかりやすいこと
喜怒哀楽がはっきり分かる子って、見てて楽しくないですか。
……はい今ちょっとこれ引かれる気がした。あかん。私の女の子の趣味紹介の場ではない。いやあのねっ、たとえば女の子がステージで踊ってるとき。その子の表情が一辺倒よりも、笑ったりちょっと切なそうになったり驚いた感じになったり、いろんな表情してたほうが、見てて楽しくないですか!?
それと同じで、私は、できるだけ「書いてる人の表情」が分かるような文章を書きたいんですよ!
今テンションが低いのか高いのか、怒ってるのか笑ってるのか。できるだけ無表情な文章を書きたくなくて。読んでる人が、書き手の声が聞こえるくらいの、表情豊かな文章が書くこと。を、目標に置いております。サイレントなマジョリティーは目が死んでるように見えちゃうからな!
②読み手をひとり決めること
アイドル文化を知って「おもしろ~~」と思ったのが、「レス」文化。これ何かと言うと、握手会などに頻繁に来て知ってるファンの人を、アイドルがステージ上から「やっほー! 見えてるよ!」って指さしたりウインクしたりしてレスポンスを返すんです。すごいよね、アイドルの記憶力……。でもこれ、ファンがテンション上がるの、わかる。「私に向かってウインクしてくれた!!」ってめちゃ喜ぶ。
で、まぁアイドルではない一般ピーポーにファンはいないのですが、文章を書くとき、脳内に「この人」って読み手をひとり決めてみるんです。要は、エア・ファンを脳内で製造する(あれ、そろそろまじで引かれそう、我ながらきもちわるい)。
この人、ってのは誰でもよくて。家族でも友人でも同僚でも恋人でも。あと私がよくやるのは「○○歳くらいの自分」。中学生の私に読んでもらう、と想定する。
そんで「この人に読んでもらう」って決めて、その人のためになりそうなこと、その人に言いたいこと、その人に楽しんでもらえそうなことを、書くんです。
実際に、その人に読んでもらわなくてもよくて。ある程度「こういう人に届けたいなー」というのがはっきりしてると、その人と同じような境遇の人にも、楽しんでもらえる気がします。これ、名づけて「アイドルはひとりにウインクしたつもりでも、その半径1メートルの周りのファンはみんな俺にウインクしてくれたと思う現象」。みなさん狙い撃ちしていきましょう(さらに引かれそうな発言)。
ま、まぁビジネスとかでいうとマーケットをちゃんと決めるとかそういう話ですね。
③カメラに抜かれそうなキャッチーな言葉を入れること
はい、問題です。ステージ上にいるアイドル、あるいはバラエティに出たアイドルが「カメラにたくさんうつる」ためにはどうしたらいいですか!? そう、キャッチーなことを言うあるいはキャッチーな表情(ウインクとか)をつくること!!! 売れてるアイドルってまじでこういうのうまいよね……指原さんとか。
というわけで、一般平民の我々も、文章でカメラにうつっていきましょう。
どういうことかと言いますと、「SNSで拡散するときに、その言葉を抜き出してシェアしたくなる」言葉をちょっと入れるよう、鋭意努力するのです。
私もこれなかなかできないんですけどね……。どこが読み手の人に刺さるかわからないから、まだまだです。「あ、そこ抜き出すんだ!」みたいなこといっぱいある。しかしトライアル・アンド・エラーはしてみると楽しい。
キャッチーなタイトルとか、キャッチーな決め台詞(当社比)とか。ちょっと意識するとちがう、かも。私も修行中の身なので、もし何かコツがあれば教えてください……。
④ありきたりな言葉で隠してないか確認すること
みんなと同じこと言うアイドルは、300人以上いるAKBグループの中じゃ目立てないぜ! 売れたアイドルはやっぱりみんなと違うことしてるぞ! すごいぞ!
というわけで、何を書くにしても、「すでに誰かが言ってそうなことを書く」ことはできるだけ避けたいな~~って思います。
ていうか、すでにどっかで読んだことあるもの読むの、まじで時間の無駄で苦痛じゃないですか。私は嫌だ。僕は嫌だ!
せっかく読んでくれている人に時間の無駄使いをしてほしくないので、できるだけ自分だけが言ってそうなこと書くことを、意識。
⑤できるだけ短く書くこと
これもまぁ、読んでくださってる方に時間の無駄をさせたくないぜ、と同じ話なんですが。
アイドルさんたちもね、やっぱり短くて的確なコメントをする力が、すごい。泣いててもコメント求められるし、怒っててもコメント求められる。なかでも売れてる子は、コメントがだらだら長くない。というか、みんな売れるに従って短くコメントするようになる。あーいうの、売れ出すとマネージャーさんとかが指導し始めるのかな。
私はほうっておくと文章が長くなってしまうので(今回も長くてすみません)、「できるだけ短く!」を心がけて、時間あるときはちゃんと削る。時間ないときはそのまま放り投げちゃいますけども。
⑥自分が書いてて楽しいと思えるものを書くこと
やっぱり、「ステージ上で歌って踊るの楽しい~!」って言ってるアイドルが大好き~~~~~!!!!!!
……という話よりも(ちがうんかい)、まず書き手が書いてて楽しい~と思わないと、読んでもらってる方にも楽しんでもらえないんじゃないだろーか……。と、思います。
どんな題材でも、書いててなんか楽しくないな、という時はできあがったものも「うーん」と微妙なものが多くて。それって書いてる時に読んでる自分がノーサインを出すから楽しくないんじゃないかと。
書くことは基本的に楽しいので、やっぱり楽しんで書きたい、ですね。いつでもね。読んでる人も楽しんでもらえるとさいこーですね。
⑦愛があること♡
世界には愛しかないんだ……ではなく。*2
これはもう個人的な信条なのですが、やっぱり、愛がない文章は世に出したらあかん、と思っているのです、自分に対して。ほかの人の文章がどうかはどうでもいいのだけど。
私の場合、読んでくださってる方とか、あとは何かについて書くときはその何かへの愛とか、まぁ、そういうのがない文章になると、わりとその時の自分しか楽しめない文章になるんですよね……はは……。ていうかあとで読んで「うげっこの文章消したい」ってなりそうで、嫌。自分が書いてすっきりしたいだけなら、公開しなくていいわけだし!
アイドルさんたちを見ていると、あの若さで、ファンの人とか観客の人に愛をあげてる様子に、やっぱり感動しちゃうんですよ。私は。
好きな作家さんの文章読んでても、アイドルを見ていても、やっぱりそこで自分が愛をもらう気がするから、元気になるわけで。
というわけで、私もどうにか愛のある文章を書きたいですね。
まぁこれ未来の自分が読んだら青臭すぎて死にそうだけど! 知らない!
はい、というわけで、アイドルから文章の書き方を学んだ、マイ・文章・セブンルールでした。
昔読んだライターさんの文章に「文章を書くときのルールなんてのは、癖みたいなもんで、どや顔で語るべきではない」っておっしゃってて、まじでその通りだとは思うのですが、まぁ2018年現在持ってるポリシー、くらいに考えていただければ幸いです。
それにしてもアイドルさんたちはこれを生身の人間でやってるんだからほんとうにすごい。天才ばかりである。